9)福島第一原子力発電所の現実 戎崎(理研)

参考資料

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福島第一原子力発電所
原子炉事故の現状と今後の対策を検討するための素案
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Phytoremediation of Radiocesium-Contaminated Soil in the Vicinity of Chernobyl, Ukraine
S L A V I K D U S H E N K O V , A L E X A N D E R M I K H E E V , A L E X E I P R O K H N E V S K Y , M I C H A E L R U C H K O , A N D B O R I S S O R O C H I N S K Y
Environ. Sci. Technol. 1999, 33, 469-475
ウクライナ、チェルノブイリ近郊の放射性セシウム137Csに汚染された土壌の植 物改良

137Csによって汚染された土壌の浄化は、チェルノブイリ1987年事故後に、もっとも重要な課題となった。この研究の目的は、1)土壌の塩の中の137Cs を集積する植物を明らかにする、2)土壌改変の137Cs吸収植物の効果を調べる、3)137Csによって汚染された土壌の環境回復に対する植物吸収の実用性を評価することである。植物は、限られた量の137Csしかチェルノブイリ土壌から吸収できない。というのは、この放射性核は、土の粒子の交換サイトに強く結合される、もしくは主鉱物、もしくは副鉱物の結晶構造の中に組み込まれてしまうからである。137Csの放出/溶解性を高めるために、20種類の土壌改変剤がテストされた。その結果、アンモニア塩が137Csの生物獲得性を高める可能性が最も高い土壌改変剤であることが分かった。チェルノブイリ付近の畑から採取した土を使った室内実験では、調査した植物のうち、アマランサス栽培品種群が最も多くの137Csを集積した(約3200Bq/m2)。また、キクイモ(Hellanthus tuberosus L.)は約1000Bq/m2、キクイモ(Hellanthus tuberosus L.)とひまわり(Helianthusannuus L.)の雑種は約1200Bq/m2の137Csを吸収した。一般に植物の地下部は地上部にくらべて3倍近くの137Csの濃度を示していた。1986年に事故を起こした原子炉の南10kmにある畑において、一つの作物期におけるカラシナ(Brassicajuncea L.)の3回連続の栽培して収穫する実験を、1996年に行った。その結果、土壌表層15cmにおける137Csに起因する放射能は少し減少した。チェルノブイリ領域においては、137Csの生物獲得性は、放出後最初の二年においては比較的高いが、その後急激に減少する。植物土壌改良が137Cs汚染領域に適用可能な手段になるためには、さらに改良が必要である。


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Plant uptake of radiocaesium: a review of mechanisms, regulation and application
Y-G. Zhu and E. Smolders
Environ. Sci. Technol. 1999, 33, 469-475

放射性セシウム(Cs)による土壌汚染は、長期にわたる放射性のインパクトがある。というのは、セシウムは植物連鎖により確実にヒトに運ばれるからである。植物吸収は放射性セシウムの土壌からヒトの食物への移動の主要な道筋である。この論文では、放射性セシウムの植物に関係する因子をレビューする。もちろん、Kの供給が溶液からのCsの吸収に影響を与える。放射性セシウムの吸収は、植物の根の細胞膜にある二つの輸送経路を使って行われていることが分かった。 その経路は、K+トランスポーターとK+チャネルである。KとCsの間の単離されたKチャネルとKトランスポーターとの陽イオン相互作用は、無傷な植 物を使った研究と一致している。外部カリウム濃度が低い(多くの場合、<0.3mM)ときに働くK+トランスポーターは、Cs+を少しだけしか区別しないが、外部カリウム濃度が高いときに支配的なK+チャンネルは、Cs+を強く区別する。つまり、外部K濃度が、0.3mMよりも低いときのほうが、Csをよりよく吸収する。セシウムは植物体内で高い移動性を持っている。放射性セシウムは植物内のK輸送システムにより吸収されるが、Cs:K比は植物によって違う。内部Cs濃度(乾燥重量比で表したとき)は、同様の条件で育った違う植物で20倍の差がある。植物による土壌浄化は放射性セシウムによって汚染された土壌の浄化の有効な手段ではあるが、非常に長い時間(数十年)がかかること大きな体積の廃棄物が出ることが問題である。